2007 Fiscal Year Annual Research Report
Akt及びOct4の機能発現調節系の重複検索による体細胞初期化因子の同定
Project/Area Number |
19658102
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 英明 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (80093243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横尾 正樹 先進医工学研究機講, 助手 (10396541)
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Keywords | Akt / マウス / 卵母細胞 / 紡錘体 / 減数分裂 / リン酸化 / 阻害ペプチド / 第2極体 |
Research Abstract |
本研究では、マウスを用いた解析により以下のことを明らかにした。 1)Aktの活性化には、Thr308とSer473の2つのアミノ酸のリン酸化が必須であり、体細胞においてはそれぞれ上流のPDK1とPDK2によりリン酸化されることが知られているが、マウスの卵母細胞においても、同様のメカニズムで活性化されることを確認した。 2)Aktは受精後第2極体放出とともに放出され、その後、前核形成期以降においては発現が見られなかった。また、2つのリン酸型Aktは異なる局在を示し、特に分裂中期においてはThr308が中心小体外周物質に、Ser473は紡錘体上に存在していた。これらの結果から、2つのリン酸型Aktが独立した役割をもち、減数分裂において何らかの役割を果たしていることが予想された。さらに、分裂中期における紡錘体上の局在は、体細胞においては観察されないことから、Aktが減数分裂特異的な役割を持つ可能性が考えられた。 3)Aktの役割を調べるため、抗体あるいは阻害ペプチドを用いた阻害実験を行った。その結果、Aktが減数分裂後期の紡錘体形成・維持、さらに受精後の第2極体放出に機能し、減数分裂の完了に機能することが明らかとなった。4)さらに、2つのリン酸型Aktは独立して機能すること、すなわち、Thr308リン酸型Aktは減数分裂中期紡錘体維持と受精後の第2極体放出から減数分裂の完了に関与し、一方、Ser473リン酸型Aktは減数分裂中期紡錘体維持と第2極体放出に機能することを明らかにした。
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Research Products
(4 results)