2008 Fiscal Year Annual Research Report
Akt及びOct4の機能発現調節系の重複検索による体細胞初期化因子の同定
Project/Area Number |
19658102
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 英明 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (80093243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 由美 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (10451551)
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Keywords | 卵子 / 卵子の体外成熟 / 初期化因子 / 早期染色体凝集 / カフェイン / ミニブタ体細胞 / クローン / 未分化生殖腺細胞 |
Research Abstract |
マウスを用いてOct4上流カスケードとAkt下流カスケードを解析し、体細胞初期化のメカニズム及び体細胞初期化因子の同定とそれらの成果を踏まえて体細胞初期化能の高いブタ卵子の生産を目的に実験を行い、更に体細胞初期化についても研究を継続し次の成果を得た。 マウスの成果を踏まえブタ卵子の体細胞初期化能誘起条件を解析した。カフェインが卵子のMPF(p34cdc2 kinase)活性を高め、核膜崩壊及び早期染色体凝集誘起を促進した。また、カフェインの感作時間も重要で3時間添加が体細胞初期化能を高めるとともに前核形成も抑制した。体外成熟40時間で正常紡錘体形成誘起能・体細胞初期化能の高い卵子が生産されることを明らかにした。さらに体細胞初期化能の高い卵子をサイトカラシンDで処理し、イオノマイシン・シクロヘキシミドで活性化させるとアクチンフィラメントが正常に配置されること、また正常に配置する卵子の比率も高まることを明らかにした。以上のようにして準備した体外成熟家畜ブタ卵子をレシピエントとしてミニブタ体細胞クローン個体生産に成功した。これに付随して体細胞クローン胚を発育させる仮親の条件も検討し、単為発生胚との共移植が良好な結果をもたらすことを明らかにした。 マウスにおいて未分化生殖腺細胞から分泌される成長因子がES細胞を始原生殖細胞に誘導することを明らかにした。また、ラットにおいて桑実期胚からES様細胞誘導に顕著な効果を示すフィーダー細胞を同定し、初期化因子同定の新たな素材を得た。成熟マウス卵子生産にNOが有効であることを明らかにした。Thr308-及びSer473-リン酸化Aktが減数分裂完了・体細胞初期化に関与することを明確に示した。 以上、マウス、ブタにおいて体細胞初期化能発現に関わる調節因子の同定に成功し、家畜ブタ卵子を用いてミニブタ体細胞クローン作製につなげることができた。
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Research Products
(6 results)