2007 Fiscal Year Annual Research Report
近年発見したホルモン、ニューロメジンSおよびニューロメジンうの新規生理機能の探索
Project/Area Number |
19658110
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
村上 昇 University of Miyazaki, 農学部, 教授 (80150192)
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Keywords | ニューロメジンU / ニューロメジンS / 視交叉上核 / バゾプレッシン / 抗利尿作用 |
Research Abstract |
ニューロメジンUおよびSの新たな生理作用として以下の2点を発見した。 1.ニューロメジンU(NMU)およびS(NMS)の抗利尿作用:NMUあるいはNMSをラットの脳室内に単一投与すると、夜間の尿量が投与量に依存して抑制された。この抑制効果はNMSの方がNMUよりも約10倍強かった。脳室内投与後にどの部位の神経が活性化されたのかを調べた結果、室傍核と視索上核のバゾプレッシン細胞にcFosの発現を認めた。また、バゾプレッシンの血中レベルが投与5および20分後に有意に増加していた。以上の結果から、NMUとNMSはバゾプレッシンを介して夜間の尿量を調節していると推測された。 2.ニューロメジンUおよびSの抗利尿作用:NMUあるいはNMSをラットの脳室内に投与すると、室傍核と視索上核のオキシトシン細胞にも、神経活性化の指標であるcFosの発現を認めた。また、オキシトシンの血中レベルが投与量に依存して有意に増加した。そこで、このオキシトシン分泌の生理作用を調べるため、泌乳期の母親ラットにNMSの抗血清を投与し、一時離乳していた子供を母親に戻し、ミルク分泌量への影響を調べた。その結果、NMS抗血清投与群では乳児の乳首での吸引に対して、ミルクの分泌が不十分であった。対照に用いたウサギ血清投与群ではミルクの分泌は正常であった。以上の結果から、NMUとNMSは泌乳期の乳児の乳首への吸入刺激に対して、オキシトシンを分泌するメディエーターとして機能していると推測された。
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