2008 Fiscal Year Annual Research Report
組織障害の新指標 : 膜インターフェースにおける骨格蛋白質のヒドロキシノネナール修飾
Project/Area Number |
19658116
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲葉 睦 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00183179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 耕太 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (50283974)
大塚 弥生 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 客員研究員 (30396303)
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Keywords | 細胞膜 / 膜骨格 / 脂質過酸化 / 組織傷害 / ヒドロキシノネナール / 酸化障害 |
Research Abstract |
A. 酸化剤により人為的に過酸化傷害を生じさせた赤血球、対照新鮮赤血球からATP存在下、非存在下で膜ゴーストを作製し、それぞれのスペクトリンについて、HNE付加量と付加部位を抗HNE抗体でのイムノブロットとプロテアーゼ分解フラグメントのMALDI-TOF MS解析で比較解析した。その結果、ATP存在下、即ち生理的条件下の赤血球膜では、同じ酸化負荷をかけてもATP非存在下に比べHNE修飾の程度が有意に低いことが明らかになった。修飾部位は、α-、β-スペクトリンともに、膜脂質との相互作用が示唆されている領域に集中しており、酸化剤存在下では、ATP非存在下で親水性領域に検出される傾向が特にα-スペクトリンで認められた。HNE修飾スペクトリンと膜反転小胞との結合は現在検討中である。 B. 脳、筋のホモジェネートのイムノブロットでスペクトリン類似蛋白質のHNE修飾を検出することを試みた。200kDaより大きな分子サイズの領域に弱いシグナルを認めたが、分子の同定には至っていない。現在、MALDI-TOF MSによる解析を継続中である。
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