2008 Fiscal Year Annual Research Report
クリックケミストリーを応用した2本鎖DNA結合分子の新規検索法の開発
Project/Area Number |
19659001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永次 史 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (90208025)
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Keywords | クリックケミストリー / ペプチド / DNA高次構造 / ライブラリー / 2本鎖DNA結合分子 / コンビナトリアルケミストリー |
Research Abstract |
遺伝子の根幹である2本鎖DNAを認識する分子は生命の基本原理を理解するためのツールとしてだけではなく、遺伝子発現の選択的な制御によるくすりとしての開発も期待されるため、2本鎖DNAの配列情報に基づく一般的なルールの確立に関する研究が多くなされてきた。しかしそのルールの確立にはまだ至っていないのが現状である。さらに研究が進むにつれ、DNAの高次構造が遺伝子発現制御機構に重要な役割を果たしている可能性が次々と示されているが、DNA高次構造の認識分子を論理的に分子設計するのは非常に困難であると考えられる。そこで本研究では、クリックケミストリーを応用したコンビナトリアル化学を用いて、2本鎖DNA認識分子の新しい検索法の開発を検討することとした。昨年度までにインターカレーターであるアクリジン誘導体及び2本鎖DNAに結合することがしられているペプチドを用いて、2本鎖DNAをテンプレートとした、クリックケミストリー反応が進行することを明らかにした。本年度はまず得られたペプチド結合型アクリジン誘導体についてそのDNAに対する結合能の評価を行なった。その結果、得られたペプチド結合型アクリジン誘導体は、ペプチドのみに比べてDNAに対する結合能が向上すること、さらにアクリジンのみに比べても若干ではあるが結合能が上がることがわかった。また固相上に固定化した末端アルキンを導入したペプチドとアクリジン誘導体の間でもクリックケミストリー反応が進行し、ビーズが蛍光を持つことが示された。この蛍光はDNA結合性ペプチドをもたないビーズとアクリジン誘導体の間では観測されないことから、ペプチドを結合させたビーズとアクリジンを用いたランダムスクリーニングによるDNA結合分子の検索法として展開できる可能性を示すことができた。
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