2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 修 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (50195781)
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Keywords | 有機化学 / フルオラス溶媒 / 触媒・化学プロセス / 界面活性剤 |
Research Abstract |
1.モデル反応におけるフルオラス溶媒およびフルオラス界面活性剤の添加効果 オレフィンのエポキシ化をモデル反応として検討を行った。次亜塩素酸ナトリウムを酸化剤として用い、相間移動触媒としてはテトラブチルアンモニウムブロミドを用いてフェニルプロペニルケトンの相間移動エポキシ化反応を行った。その結果、通常の有機相-水相の相間移動触媒条件では1時間で16%しか目的物であるエポキシ体が得られなかったのが、フルオラス溶媒としてPFMC(パーフルオロメチルシクロヘキサン)、およびフルオラス界面活性剤としてフルオラスジオールを添加したところ、反応は大きく加速され、収率83%で目的物が得られた。 2.種々の二相系反応における加速効果の検討 エポキシ化以外の反応として、有機合成上重要な相間移動アルキル化反応を検討したところ、フルオラス溶媒およびフルオラスジオールの添加で同様な反応加速が観測された。 3.フルオラス界面活性剤の探索 反応が効率的に進行する分散系の形成させるためには、フルオラス界面活性剤の構造が重要であると予想される。フルオラス界面活性剤としてフルオラスエーテル・フルオラスアルコール・フルオラスカルボン酸塩・フルオラススルホン酸塩・フルオラスジオールを調製して検討したところ、フルオラスジオールの場合に最も大きな反応加速がみられ、中でも炭素数8のフルオラス基を有するジオールが最も効果が高く、アルキル化反応がわずか10分で96%進行した。
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