2007 Fiscal Year Annual Research Report
光グラフト重合法をもちいる次世代型高分子固定化触媒の簡便創製
Project/Area Number |
19659003
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
矢倉 隆之 University of Toyama, 医学薬学研究部(薬学), 准教授 (70220126)
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Keywords | 光グラフト重合 / 高分子固定化触媒 / ポリプロピレン / 酸化反応 / 超原子価ヨウ素 / ニトロキシラジカル酸化剤 |
Research Abstract |
シート状のポリプロピレンの表面に光グラフト重合法を用いてアクリル酸を重合させ,カルボキシル基を持つ高分子シートを作成した。高分子シート上のカルボキシル基にニトロキシラジカル酸化剤である4-ヒドロキシTEMPOを縮合させ,高分子固定化触媒を創製した。それを用い塩化メチレン中オキソン存在下でp-ニトロベンジルアルコールと反応させると,24時間で対応するアルデヒドが定量的に得られた。高分子固定化触媒をピンセットで取り出し,水およびメタノール,アセトンで表面を洗浄し,減圧乾燥させたところ,その重量にほとんど変化がなかった。このものを再び同じ条件下でpーニトロベンジルアルコールの酸化に用いると,1回目とほぼ同様の結果が得られた。 一方,超原子価ヨウ素化合物のポリプロピレンヘの固定化については,基になる触媒反応の効率を向上させる必要があった。そこで,p-アルコキシフェノールのp-キノンヘの反応において,溶媒効果を検討したところ,約100倍の反応効率の増大が見られた。すなわち,0.05当量の4-ヨードフェノキシ酢酸を4当量のオキソン存在下,2,2,2-トリフルオロエタノール-水中でp-アルコキシフェノールと反応させると,わずか1時間で対応するp-キノンがほぼ定量的に得られた。また,p-アリールフェノールのp-キノールヘの酸化反応やp-ジアルコキシベンゼン類のp-キノン類への酸化反応でも,高い触媒効率を達成することができた。
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Research Products
(7 results)