2007 Fiscal Year Annual Research Report
超高比放射能標識リガンドによる生体超微量現象の解明
Project/Area Number |
19659006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 修 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (50159969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 理恵 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30291446)
鈴木 和年 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター分子認識研究グループ, グループリーダー (90162932)
張 明栄 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター分子認識研究グループ, チームリーダー (80443076)
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Keywords | 超高比放射能 / ポジトロン核種 / モルヒネ / 鎮痛作用 / 拮抗剤 / 超微量 / ストレス誘発性 |
Research Abstract |
本年度は超微量のオピオイド受容体がモルヒネによる鎮痛作用を増強する現象に着目し、以下の研究を遂行した。 (1)ddYマウス(5週齢)を用いて、極微量(0.1ng/kg)のナルトレキソンがモルヒネ(2mg/kg)による鎮痛作用を増強する現象を再現性良く確認できた。同様な実験を8週齢のddYマウスで実施した結果、極微量のナルトレキソンによるモルヒネ鎮痛作用の増強作用は認められなかったことから、脳の発達過程におけるオピオイド系の変化に留意する必要があることが判った。 (2)ddYマウス(5週齢)に強制水泳(32℃、5分間)を負荷し、ストレス誘発性鎮痛作用(SIA)を再現性良く生じさせる条件を確立した上で、極微量(0.1ng/kg)のナルトレキソンを投与した結果、SIAの増強作用を認めた。極微量のオピオイド拮抗薬はオピオイド依存型SIAに対しても増強作用を示すことから、内在性のモルヒネ様物質とオピオイド受容体との相互作用にも修飾作用を有することが明らかとなった。 (3)標識リガンドの候補化合物としてfluoroethylnaloxoneを選択し、18Fまたは11Cによる超高比放射能標識合成の可能性について検討した結果、11C-メチルトリフレートを前駆体としたO-メトキシ基の11C標識合成が最適であると判明し、合成法の基礎検討を行った。
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