2008 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロン誘導型抗ウイルス機構2-5Aシステムにおける機能制御の構造的基盤
Project/Area Number |
19659009
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
田中 信忠 Showa University, 薬学部, 准教授 (00286866)
|
Keywords | インターフェロン / オリゴアデニル酸 / 結晶構造 / 立体構造 / リボヌクレアーゼ |
Research Abstract |
本研究では、抗ウイルス薬として生体内で安定な2-5A類似化合物のデザインに役立てるため、 (A)活性型ヒトRNase L/2-5A複合体の立体構造解析により、2-5AによるRNase Lの2量体化並びに活性化機構、RNase LによるRNAの認識・分解機構を解明し、 (B)活性型ヒト2-50AS(系の正の制御因子)の立体構造解析により、2-5Aの合成機構を解明し、 (C)ヒト2'-PDE(系の負の制御因子)の立体構造解析により、2-5Aの認識・分解機構を解明し、 これらの立体構造情報に基づいて2-5Aを鍵分子として複数の蛋白質が離合集散する系の機能制御を原子レベルで理解することを目指している。 今年度は昨年度に引き続き、各々の構造解析タンパク質に関し、以下の手順でリガンド存在下、非存在下の両方において、数百種類の結晶化条件のスクリーニングを行った。しかし、いずれに関しても、未だ結晶が得られていない。 (1)大量発現条件(発現用ベクター・ホストの組み合わせ、培養温度、誘導条件など)の最適化。 (2)大腸菌の大量培養。20~25℃での低温培養により、可溶性画分の収量が増すことを確認済み。 (3)数種類(親和性、イオン交換、ゲルろ過等)のクロマトグラフィーによる、蛋白質の精製。 (4)蛋白質の濃縮、複合体の調製。 (5)結晶化条件の探索及び最適化。 また、今年度はヒトRNaseLに関し、生理機能の類似性は無いもののアミノ酸配列に類似性が認められる酵母由来Ire1タンパク質の立体構造情報(Leeら、Cell,2008)に基づいてRNaseLのドメイン構造の推定を行い、C末端RNaseドメインの発現系をデザインした。その結果、C末端RNaseドメインを可溶性に得、3段階のクロマトグラフィーにより均一に精製することに成功した。
|