2007 Fiscal Year Annual Research Report
γシクロデキストリン誘導体を用いた細胞膜機能タンパク質の生物薬学的解析
Project/Area Number |
19659020
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
市川 厚 Mukogawa Women's University, 薬学部, 教授 (10025695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 安代 武庫川女子大学, バイオサイエンス研究所, 助手 (70211117)
田中 智之 武庫川女子大学, 薬学部, 准教授 (40303846)
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Keywords | γシクロデキストリン / マスト細胞 / 機能性タンパク質 / 生物薬学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、無損傷マスト細胞からの機能性タンパク質の分離とその機能解析に、γシクロデキストリン(γCD)誘導体が有効なプローブになることを実証することである。 平成19年度は、がん化マスト細胞(P-815細胞)を用いて、増殖期の細胞へのマルトシル-γCDの作用点(細胞膜、細胞質)を明らかにするためにマルトシル-γCDの細胞内取り込みについて検討した。 その結果、マルトシル-γCDのP-815細胞への取り込みは、添加濃度に依存し、低温では著しく低下しATP依存性であることがわかった。また、取り込みには、側鎖のマルトースが影響していることが示唆された。しかしながら、マルトース側鎖認識を介する受容体型取り込みではなかった。一方、ATP依存性薬物トランスポーター阻害剤(Verapamil、QUinidine)ファゴサイトーシス阻害剤(Cytochalasin D)の添加により、取り込みは阻害されたことから、マルトシル-γCDの取り込み機構は、ABCトランスポーターの介在およびファゴサイトーシスが推定された。そこで、P-糖タンパクの確認をウェスタンブロットで行ったところ、P-815細胞の細胞膜あるいは顆粒膜に存在していることが確認できた。さらに、γCDの蛍光誘導体(Green Chemiluminescent γCD)の取り込みを共焦点顕微鏡で観察したところ、顆粒内に局在している可能性が示唆された。細胞内に取り込まれたマルトシル-γCDは、αグルコシダーゼ作用により、時間経過とともにグルコシル-γCDへと代謝された。 これらの研究成果は、マスト細胞の細胞機能を解析するうえで重要な基礎データとなる。
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Research Products
(6 results)