2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト細胞の化学発がん抵抗性の克服と新規な化学発がんin vitro評価系の開発
Project/Area Number |
19659029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 徳夫 Osaka University, 薬学研究科, 講師 (60176352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 朋紀 摂南大学, 薬学部, 助教 (70340859)
永瀬 容康 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (00252700)
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Keywords | 化学発がん / ヒト由来細胞 / 感受性 / 評価系 |
Research Abstract |
各種化合物のin vivoがん原性試験は、ラットで2年以上、マウスで18ヶ月と、長期間を要し使用する動物数も多い。in vivo試験の前にもう1段階の試験を組み合わせることで、in vivo試験を行う化合物を絞り込むことができれば、一連の試験にかかる延べ日数の削減、使用動物数の削減、経済的負担の削減等多くのメリットが生じる。in vitro transformation評価系は、げっ歯類細胞を用いて研究レベルで使用されてきた。ヒト細胞を用いる系が組めるならその優位性は高い。ヒト細胞はがん遺伝子導入によるtransformationや化学発がん感受性が低いことが知られており、ヒト細胞を化学発がん剤でがん化させる試みは、組織培養研究の初期から行われたが、今日でもげっ歯類細胞と比較して極端に低いヒト細胞の反応は改善されていない。 本年度の検討で、in vitro transformation試験の基本的な設定を確認すると共に、ヒト由来細胞にいくつかの遺伝子改変を行なうことで、transformation感受性が上昇することを認めた。新たにtransformation感受性に影響する可能性のある因子/遺伝子を見出すと共に、その因子を人為的に操作した細胞も作成中であり、これら細胞を用いての検証等を次年度に行なう準備も進行中である。用いたヒト由来細胞が軟寒天内コロニー形成試験に使用できることを認めたが、フォーカス形成試験には適さないことも明らかとなった。放射線によるtransformationに関しては、照射室の温度環境の制御等が満足でなく、現時点でいくつか問題を認めているものの、次年度の検討で改善できなくても主要な目的の達成に支障はないと考えられる。
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Research Products
(1 results)