2008 Fiscal Year Annual Research Report
超微量発現酵素が薬物の全身的代謝に果たす役割に関する常識を覆す研究
Project/Area Number |
19659033
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
有吉 範高 Chiba University, 医学部附属病院, 准教授 (00243957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北田 光一 千葉大学, 医学部附属病院, 教授 (90110345)
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Keywords | 微量発現 / CYP1A1 / 医薬品代謝 / 発現系 / ヒト肝臓 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した目的・実施計画に基づいて検討を行い以下の成果を挙げることができた。1)CYP1A1発現系の昆虫細胞発現系から大腸菌発現系への移行、ヒトPORおよびCYP5A発現系では、約20時間の培養で大量の目的蛋白質が発現し、PORは菌体を超音波破砕することで著しい活性上昇を認め、膜結合酵素として正常に機能することを確認した。一方CYPについては、7種類の発現系を構築し、単独又はシャペロン蛋白質との共発現を検討したが、申請者が目指す高レベルの発現は達成できず満足した結果が得られていないため、本助成期間終了後も継続して検討を行う予定である。2)ヒト肝ミクロゾーム(Ms)によるCYP1A1による医薬品代謝の寄与率と阻害剤に関する検討、交付申請書では対象薬物をアゼラスチンとしていたが、研究期間中に発売されたアミオダロン注射液のインタビューフォームにCYP1A1が記載されたこと、CYP3A4+b_5よりもCYP1A1による代謝能が高いと報告されていたこと、医療現場で他に代替薬がない等インパクトが大きいこと、重篤な副作用があること等から、対象薬物をアミオダロンに切り替えて検討した。なお、1に記した様に発現系構築が計画どおり進まなかったため、交付申請書に記載した人工(モデル)系Msを用いた検討は期間内には実施せず、代わりに市販のヒトCYP発現系で検討したところ、過去の報告とは異なり、CYP1A1より、もCYP3A4+b_5の代謝酵素活性が高かった。さらに15個体より得られたヒト肝臓を入手できたため、種々のCYP3A4およびCYP1A1含量の検体でCYP1A1のアミオダロン代謝へ寄与を検討可能であった。その結果、指標活性の相関解析および抗体阻害実験のいずれにおいてもヒト肝臓におけるアミオダロン代謝へのCYP1A1の寄与は否定された。しかし、最も重要な点は、従来極めて困難とされてきた本分子種を蛋白レベルで検出できる方法を確立したことで、当初の目的と逆に超徽量発現という概念を崩せた点と言える。
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Research Products
(1 results)