2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659036
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
横井 毅 Kanazawa University, 医学系研究科, 教授 (70135226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 美紀 金沢大学, 医学系研究科, 准教授 (70266162)
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Keywords | マイクロRNA / チトクロームP450 / 個人差 / CYP3A4 / miR-148a / Pregnane X receptor / 転写後調節 / ヒト肝細胞 |
Research Abstract |
本研究で,我々は25名のヒト肝の試料について検討し,PXR(Pregnane X receptor,PXR mRNAの発現量がPXRたんぱく質の発現レベルと全く相関しないことを新たに見出した。このことはPXRが転写後に何らかの発現制御を受けていることを示唆している。さらに,このPXRの3'非翻訳領域にマイクロRNA(miR)-148aによって認識されると考えられる配列があることを見出した。ルシフェラーゼを用いたレポータージーンアッセイによりmiR-148aは,PXR mRNAのmiR-148a認識様配列を確かに認識することを示した。細胞レベルでの検討において,PXRタンパク質はmiR-148aを過剰発現させると発現が減少し,miR-148aをアンチセンスオリゴヌク「レオチドで阻害すると発現が増加した。また,miR-148a依存的なPXRの増減は,CYP3A4 mRNAの発現量に影響を及ぼしていた。さらに,PXRの翻訳効率の指標であるPXRタンパク質/PXR mRNA比は,miR-148aの発現量と逆の相関にあることを25名のヒト肝試料について明らかにした。このことは,miR-148aがヒト肝においてPXRの発現制御の役割をしていることを意味する。実際,ヒト肝におけるPXRタンパク質の発現量は,CYP3A4のmRNAおよびタンパク質の発現量を相関した。本研究で,我々はmiR-148aがヒトPXRの発現を転写後調節しており,これによりヒト肝におけるCYP3A4の常在的および誘導的発現が制御されていることを見出した。この研究結果は,これまで解明されていなかったヒトCYP3A4活性の大きな個人差の説明としてマイクロRNAの新たな知見を提供するものである。
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Research Products
(5 results)