2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の微細形態形成に関わる新規遺伝子を同定する手法の開発
Project/Area Number |
19659043
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
原田 彰宏 Gunma University, 生体調節研究所, 教授 (40251441)
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Keywords | 脳・神経 / 神経科学 / バイオテクノロジー / 細胞・組織 / ウイルス |
Research Abstract |
申請者はPCl2細胞に、2つのloxP配列で挟まれたgene trapベクターを持つレトロウイルスを感染させて、ベクターをPCl2細胞のゲノムに挿入し、シナプス小胞のマーカー(synaptophysin,Achtransporter)の量や分布が異常になる細胞を同定することに成功した。またその細胞に、アデノウイルスを用いてCre recombinaseを発現させ、挿入したベクターを除去して表現型が元に戻ることを確認することができた。これらの細胞について、5'-RACE,inverse PCR,splinkerette PCRといった手法を用いて、複数の細胞株についてベクターの挿入箇所を同定した。そのうち遺伝子が異常になった1つの株については、様々な細胞内小器官の分布が異常になっていること、原因遺伝子を導入して表現型が回復することなどを既に確認している。 また、その遺伝子産物(蛋白)に対する抗体を作製し、分布を調べている。ES細胞でその遺伝子のgene trap系統が市販されているため、現在その系統を用いてノックアウトマウスを作製中である。その遺伝子の変異がヒトのある神経疾患と関連があることが知られているため、興味深い結果が得られることが期待できる。 上皮細胞の極性形成に重要な分子を調べる目的で,同様の手法でMDCKにレトロウイルスを感染させ,apical markerであるCD59-GFPの量や分布が異常になった細胞株を複数拾い,ベクターの除去によって局在が元に戻ることを確認した。今後この細胞株のゲノムのどこに遺伝子が挿入されているか,調べる予定である。
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