2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜の内外各層でドメインを形成する脂質分子のレプリカ免疫電顕法による対応解析
Project/Area Number |
19659048
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
村手 源英 The Institute of Physical and Chemical Research, 小林脂質生物学研究室, 協力研究員 (30311369)
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Keywords | 細胞膜 / リン脂質 / コレステロール / 脂質ラフト / フリーズフラクチャー法 / 免疫電子顕微鏡法 / スフィンゴミエリン |
Research Abstract |
細胞膜を構成する脂質二重層の外層と内層におけるリン脂質の分布について、これまで赤血球膜において詳細に調べられている。しかし、その2次元における分布については全く明らかになっていない。近年、スフィンゴミエリンとコレステロールによって細胞膜上に作られる集積(脂質ラフト)が、細胞がその機能を発揮するため、特に細胞膜を介した情報や物質の伝達の制御に重要な役割を果たしていると考えられてきたが、その実体はいまだ議論の的となっている。そこで本研究では、SDS処理凍結割断レプリカ標識(SDS-FRL)法を用いて細胞膜を構成する主要な脂質を検出することで、脂質ラフトの実体を明らかにする事を目的としている。本年度は、高いコレステロール濃度を持った膜上の微小領域にのみ結合する事が明らかとなってきたタンパク質性のプローブを用いて、ヒト赤血球細胞膜において脂質ラフトの構成成分であるコレステロールの検出に成功した。また、フォスファチジルセリンに特異的に結合する抗体やフォスファチジルエタノールアミンに特異的に結合するタンパク質性のプローブを用いて、それぞれの脂質の検出に成功した。これにより、ヒト赤血球においては、コレステロールとフォスファチジルエタノールアミンのみが細胞膜の脂質2重層の内外層の両方で検出できたのに対して、スフィンゴミエリンとフォスファチジルセリンは片一方の層でのみ検出された。以上の研究の一部は国際会議(ルッカ、イタリア、2008)で発表した。
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Research Products
(8 results)