2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659051
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八尾 寛 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (00144353)
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Keywords | エキソサイトーシス / 赤色蛍光タンパク質 / PC12 / 緑色蛍光タンパク質 / シナプトフルオリン |
Research Abstract |
シナプトフルオリン(VAMP-SEP)による新たなエキソサイトーシス測定法には、酸性下ではSEPを用いたシナプスの形態観察が困難であることや、神経活動の際に生じる、内因性物質による自家蛍光の影響が無視できないなどの問題が残されている。そこで、SEPの代わりに赤色蛍光タンパク質誘導体の一つmOrangeを用いることを計画した。蛍光分光光度計を用いて、mOrange蛍光のpH依存性を計測したところ、pKa値として7.14を得た。したがって、S/N比の向上が期待される。緑色蛍光タンパク質GFPの改変体には、励起波長によりpH感受性が逆転するレシオ蛍光特性を示すものがある。例えば、Ratiometric pHluorin(RMP)の励起光ピークは、pH5.5では425nmにあるが、pH7.5では395nmにある。このような特性の有無を検証するため、mOrangeの励起波長について、pH依存性を調べた。本実験で得られたmOrangeの最大励起波長は546nmで、これは報告されているmOrangeの最大励起波長=548nmとほぼ等しい。また、pH依存的な励起波長の変化は見られない。このことから、mOrangeはpHによるレシオ蛍光特性は有さないと言える。VAMP-mOrangeをSEPの代わりに適用し、より高感度にエキソサイトーシスを検出できるか検証するため、ラット副腎髄質細胞由来PC12細胞を用いた蛍光計測を行った。VAMP-mOrangeを発現しているPC12細胞について塩化アンモニウム緩衝液処理に対する応答を計測したところ、大きな蛍光の増大が認められた。すなわち、SEPをmOrangeに置き換えることで、より高感度に活動依存的なエキソサイトーシスを光学計測できる可能性が示唆された
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