2007 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性脳障害と学習・記憶過程に共通する原理の探索研究
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19659061
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西堀 正洋 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50135943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英夫 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60335627)
菅家 徹 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50432638)
劉 克約 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40432637)
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Keywords | LTP / 中枢・末梢神経 |
Research Abstract |
ラットの中大脳動脈起始部を塞栓子で閉塞し、2時間後に再灌流を開始し、虚血再灌流障害による脳梗塞を作製した。この条件下に脳虚血後のHMGB1の局在変化について、免疫組織化学的に詳細に検討した。非虚血側では、細胞核内に種々の強さのHMGB1陽性反応が観察された。これらの反応は、グリア細胞と神経細胞にともに認められた。脳虚血12時間後には、虚血コア局所のアストログリアと神経細胞核のHMGB1の反応が消失していた。一方、虚血側の視床下部傍室核や視床下部前部のニューロンでは、細胞質を含む細胞全体にHMGB1の発現が上昇していた。また、視床下部前部では、血管周辺に、HMGB1強陽性の点状構造物が多数観察された。このような結果は、虚血側の特定の視床下部領域、特にストレス応答に関連する脳部位で、HMGB1が発現誘導されていることを物語っている。これらの結果は、FASEB Journal (Liu et al., 2007)に報告した。HMGB1の細胞外遊離を検討する目的で、ラットの大脳皮質切片0.2x0.2x0.4mmを作製し、高カリウムによる脱分極刺激と興奮性アミノ酸のグルタミン酸添加によるHMGB1遊離量をインキュベーション上清を濃縮後、ウエスタンブロットで定量した。その結果、脱分極ならびにグルタミン酸刺激ではHMGB1遊離は観察されなかった。一方、インキュベーション上清の濃縮に用いた硫安沈殿では、高カリウム条件の方がHMGB1沈殿を生じやすいことがわかった。現在、ラットの海馬切片を作製し、LTP誘発時のHMGB1遊離を測定中である。
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Research Products
(3 results)