2007 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症八賞要因としてのVAPBと小胞体ストレスの解析
Project/Area Number |
19659063
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松岡 正明 Keio University, 医学部, 准教授 (70222297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 知宏 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60398617)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 細胞死 / 小胞体ストレス |
Research Abstract |
家族性ALSの原因遺伝子ALS8(VAPB)に着目してその機能解析と遣伝子変異による運動神経細胞死の機序を解明する研究を行った。本年度はまずP56S-変異によりVAPBが運動神経細胞死を引き起こす機序を検討し、VAPBが生理的なERストレス反応カスケードの一つUPR(unfolded protein response)カスケード中に存在する分子であることまた、P56S-VAPBが機能喪失ミュータントであることをさらに確認する作業を行った。目標1生理的UPRにおけるVAPBの果たす役割解明1.wt-VAPBによるUPRの中心的な経路IRE1/XBP1経路の活性化メカニズム。wt-VAPBは直接IRE1とBip1と機能的相互作用することを示した。2.他のUPR経路におけるVAPBの役割。IRE1/HAC1(XBP1)経路以外のPERK経路とATF6経路には直接関係しないことをin vitro実験系を用いて示した。目標2P56S-VAPB誘導性運動神経細胞死機序の解明1.P56S-VAPBはloss of function mutantであるが同時に存在する正常のVAPBの機能を阻害することは示した。すなわち、1 alleleの変異によりVAPBの機能の大半は失われることを発見した。この結果、細胞内はprotein foldingの監視機能が減弱し、misfolded proteinの蓄積傾向に傾く。この状況が最終的に運動神経細胞死に繋がると考えている。2.P56S-VAPBによるCapase-3の活性化と運動神経細胞死の関連。P56S-VApBあるいは作成した特異的VAPBsiRNAを運動神経細胞株に導入し、さらに種々のERストレスを加え、神経細胞死が引き起こされるかことを示した。しかし、siRNAシステムに問題があり、現在再確認中である。目標3マウスを用いたALS8遺伝子異常によるALSモデル作成論理的にはP56S-VAPBを構成的に高発現するトランスジェーニックマウスを樹立する実験を遂行中である。
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Research Products
(6 results)