2007 Fiscal Year Annual Research Report
癌幹細胞の病理組織切片における同定と臨床病理学的意義
Project/Area Number |
19659089
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊藤 隆明 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70168392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 哲広 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 研究員 (70359818)
宇高 直子 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (90285106)
市村 隆也 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (40423652)
野守 裕明 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (90146613)
岩瀬 弘敬 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40211065)
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Keywords | 幹細胞 / sca-1 / nucleostemin / パラフィン切片 / フローサイトメーター / サテライト細胞 |
Research Abstract |
本研究では、ヒトがん細胞の培養株やマウス腫瘍などを用いて実験的な基礎研究を行いながら、実際的なヒト各種癌組織における癌幹細胞の同定を組織切片上で試みるとともに、その出現頻度の臨床病理学的な意義について検討することを目的としている。 '1.マウス肺上皮におけるsca-1陽性細胞の同定: (1)マウス肺上皮を酵素的に単離し、flowcytometerによりsca-1陽性細胞数を算出した。(3%)。また、磁気ビーズによりsca-1陽性細胞を標識・分取し、標識細胞中の二型肺胞上皮およびクララ細胞の同定を試みた。 (2)マウス凍結肺組織切片を用いて、上皮内におけるsaca-1陽性細胞を確認した。 2.NNK誘発マウス肺腫瘍での実験: (1)腺腫、腺癌中のsca-1陽性細胞数をflowcytometerおよび凍結切片中で算出したが、差が見られなかった。 (2)腺腫:腺癌組織を用いて幹細胞マーカーの候補であるnucleosteminのWestern blotting解析を行った。正常組織より腫瘍のほうが発現が高かった。凍結切片を用いての免疫染色により、nucleostemin陽性像の腫瘍による発現亢進を確認した。 3.ナフタレン傷害肺におけるnucleostemin発現: (1)傷害後の修復時にnucleosteminの発現亢進が起こり、BrdUの標識率の推移と一致した。 4.反回神経麻痺後の筋萎縮モデルを用いて、筋細胞の簿細胞のsatellite cellの動態を凍結切片を用いて明らかにした。 5.ヒト肺癌、乳癌、膵癌のパラフィン切片を用いてnucleostemin陽性像を見る染色方法を確立した。
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Research Products
(1 results)