2007 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体腫瘍形質転換遺伝子(PTTG)の時期特異的発現と腫瘍形成機構の解明
Project/Area Number |
19659101
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
梶谷 華子 Tokai University, 医学部・基盤診療学系病理診断学, 奨励研究員 (20449127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹腰 進 東海大学, 医学部, 准教授 (70216878)
長村 義之 東海大学, 医学部, 教授 (10100992)
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Keywords | 腫瘍 / PTTG / 下垂体 / トランスジェニックマウス / Ecdysone System |
Research Abstract |
本研究では、任意の時期にターゲット分子の発現誘導が可能であるEcdysoneシステムを用いて、胎児期、出生直後、性成熟期、老齢期の各時期の動物の下垂体にPTTGを発現させ、どの時期でのPTTG発現誘導が下垂体腫瘍の形成を誘発しうるかを検討し、下垂体腫瘍形成過程の分子機構を追及することを目的とし、トランスジェニック(Tg)マウスの作製を行っている。 Ecdysoneシステム用ベクターとして、(1)下垂体特異的にEcdysone Receptor(EcR)およびRetinoid-X-Receptor(RXR)を発現するRegulation Vbctor(Line 1)、(2)昆虫ホルモンEcdysoneと結合したEcRおよびRXRの存在下でのみ活性化されるプロモーターの制御下でヒトPTTGを発現するExpression Vbctor(Line 2)の2種類を作製した。 Tg動物作製の前に、マウス下垂体培養細胞株(LβT2)を用い、EcdysoneシステムによるPTTG発現の検証を行った。上記で作製した2種類のVbctorを同時に、リポフェクチン法を用いてLβT2細胞に導入した。細胞を回収後、Immuno-blotting法を用いてPTTG発現解析を行ったところ、EcdysoneシステムよってPTTGが誘導されることを確認した。そこで、実際にマウスへの導入を試みた。作製されたTgマウスは、交配・継代し、純系(F3)を作製し、解析に用いることとする。現在、F1の作製まで完了しており、Line1で3匹のhetero、Line2で15匹のheteroのTgマウスが完成している。このTgマウスが完成し、成熟後の動物においてPTTGの過剰発現により下垂体腫瘍が認められれば、成年期以降の遺伝子発現の異常(変異)により誘導されると考えられているヒト下垂体腺腫の良い実験動物モデルとして期待される。
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