2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本住血吸虫の放射線照射セルカリアに誘導されるT細胞存性感染防御機構の解析
Project/Area Number |
19659106
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
菊池 三穂子 Nagasaki University, 国際連携研究戦略本部, 講師 (40336186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
HUYTIEN Nguyen 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (20457526)
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Keywords | 日本住血吸虫 / 感染抵抗性機序 / T細胞応答性 / 虫体抗原 / シニブタ |
Research Abstract |
放射線照射セルかリア感染よる免疫 ミニブタ2頭に γ線照射(20KRAD)した日本住血吸虫(中国株)のセルカリア400隻を2週間のインターバルで2回経皮感染させ、防御免疫の誘導を行った。免疫後、2週間のインターバルで末梢血リンパ球を分離し、ex-vivoでの虫卵、あるいは虫体粗抗原に対するT細胞応答性について検討を行った。通常感染させた場合の免疫応答と比較して炎症性サイトカイン産生が強く誘導されていた。しかしながら、虫卵・虫体抗原を用いたT細胞の増殖反応は弱かった。これまで、マウスの脾リンパ球を用いた結果しか報告がないが、ヒトの結果とはよく一致することが判明した。 虫体抗原の分画と反応性抗原のスクリーニング 2Dプロテオーム(BECKMAN Courter 社)を用いて抗原分画を作成した。この分画を用いて、抗原吸着セラミックビーズと、抗原吸着PVDFメンブランを作成し、免疫したミニブタの抹消血から分離したPBMCを用いて、反応性を示す抗原分画の検出可能性について検討した。増殖反応性が弱いことから増殖反応のみでは抗原を特定するのは難しいことが判明した。また、抗原特異的IgG抗体の各分画抗原に対する反応性について検討した。放射線照射セルカリア免疫したミニブタ血清は、虫卵由来分画2496文画中から61分画に対して反応性が認められた。このうちシングルピークの17分画についてN末端アミノ酸配列の決定を試みた。虫卵由来分画のF29.2E(pH<4.8):MCVLPVD、F2.3D(pH8.49-8.4):MAVLPPIYKYLのアミノ酸配列を得ることができた。この配列から、遺伝子バンクに登録データーを検索した結果、合致すると思われた蛋白の組み換え蛋白を作製し、抗体の反応性の確認を行った。得られた組み換え蛋白のT細胞応答性、特にサイトカイン産生プロファイルについて検討を行なうことにより、本課題の目的である感染防御機序についての解析についての進展が期待できる。
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Research Products
(3 results)