2008 Fiscal Year Annual Research Report
STAMs/Hrs複合体を介したオートファジー依存性細菌感染防御
Project/Area Number |
19659108
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅村 和夫 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (20117360)
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Keywords | オートファジー / 小胞輸送 / 細菌感染 / 神経障害 |
Research Abstract |
我々は、HeLa細胞株を用いて、Hrsノックダウン細胞を樹立し、A群連鎖球菌(GAS)を感染させる系を確立した。HrsノックダウンHeLa細胞では、GASはオートファゴソームに包まれるものの、分解されないことが分かった。このメカニズムを解析したところ、オートファゴソームからオートファゴリリソームヘの成熟が阻害されていることが分かった。以上の結果から、Hrsがオートファゴリリソームの形成に必須な役割を果たしていることが明らかになった。 これらの研究から、Hrsは小胞輸送系を介して種々の生命現象において重要な役割を担っていることが考えられたため、in vivoでの検討をするべく、Hrsコンディショナルノックアウトマウス(Hrs(flox/flox))を作成した。臓器特異性は、神経系ではオートファジー経路が細胞生存に必須であることから、SynapsinI-Creマウスと掛け合わせ解析した。解析に先立って施行したin situ hybridizationでは、hrsは脳組織にユビキタスに発現していた。神経特異的Hrsノックアウトマウスは、生後3週頃から経時的に海馬CA3領域の錐体細胞が脱落した。興味深いことに、海馬CA3領域・大脳皮質・視床下部・プルキンエ細胞にはユビキチン化タンパクの凝集が観察され、それらはAMPA・NMDA受容体や、オートファジーにより制御されるタンパクp62と共局在した。行動解析を行うと、CA3脱落に由来すると考えられる短期記憶の障害を認め、さらには視床下部由来の情動障害と考えられる意欲低下を認めた。これらの結果からHrsは神経細胞の生存に必須であり、このマウスは神経変性疾患のモデルとなる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Loss of Hrs in the central nervous system causes accumulation of ubiquitinated proteins and neurodegeneration2008
Author(s)
Tamai, K., Toyoshima, M., Tanaka, N., Yamamoto, N., Owada Y., Kiyonari, H., Murata, K., Ueno, Y., Ono, M., Shimosegawa, T., Yaegashi, N., Watanabe, M. and Sugamura, K.
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Journal Title
Am. J. Pathol 173
Pages: 1806-1817
Peer Reviewed
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[Journal Article] c-Cbl-dependent monoubiquitination and lysosomal degradation of gp1302008
Author(s)
Tanaka, Y., Tanaka, N., Saeki, Y., Tanaka, K., Murakami, M., Hirano, T., Ishii, N. and Sugamura, K.
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Journal Title
Mol. Cell. Biol 28
Pages: 4805-4818
Peer Reviewed