2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659109
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小出 幸夫 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 理事 (30126809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 年 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90275024)
内嶋 雅人 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20252174)
瀬戸 真太郎 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50383203)
辻村 邦夫 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (10227407)
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Keywords | 結核 / ワクチン / 樹状細胞 / CD91 |
Research Abstract |
結核菌に対するワクチンとしては生菌ワクチンであるBCGが用いられているが、その成人肺結核に対する防御効果は否定的であり、より有効なワクチンの開発が急務となっている。そこで本研究では樹状細胞に選択的に抗原を取り込ませ、効率良くT細胞を感作できる分子融合蛋白ワクチンの開発を、CD91に照準を合わせて試みた。 本研究ではCD91のリガンドとして、1)結核菌由来のHeat shock protein (HSP)70と2)Thrombospondin-1(TSP-1)を利用して、結核菌抗原であるMPT51との融合蛋白をコードする遺伝子を作製した。なお、TSP-1のいくつかの機能ドメインは免疫抑制に働くことが知られているので、CD91との結合に重要であるヘパリン結合ドメインのみを使用した。次いで、作製したキメラ遺伝子を動物細胞用発現ベクターであるpCIに挿入し、マウス(BALB/cおよびC57BL/6)にDNAワクチンを施してMPT51に対する免疫応答を検討した。 HSP70/MPT51で免疫したマウスでは、MPT51単独で免疫したマウスより、CD4陽性T細胞による抗原特異的なIFN-γ産生(C57BL/6で検出)の増強が見られたが、CD8陽性T細胞によるIFN-γ産生(BALB/cで検出)の増強は認められなかった。一方、TSP-1/MPT51で免疫したマウスでは、MPT51単独で免疫したマウスと比較して、CD4陽性およびCD8陽性T細胞の両方でMPT51特異的なIFN-γ産生の強い抑制が観察された。 上記の結果から、HSP70とMPT51の融合分子による免疫により、抗原特異的なCD4陽性T細胞の免疫応答を効率よく誘導できることが明らかとなった。また、TSP-1との融合分子を用いることで、抗原特異的な免疫抑制が誘導できる可能性が示唆された。
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Research Products
(33 results)