2007 Fiscal Year Annual Research Report
毒素捕獲型アルブミン変異体による安全な肝移植を目指した新規血液浄化法の開発
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19659138
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小田切 優樹 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80120145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 裕紀洋 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50193628)
丸山 徹 熊本大学, 薬学部, 教授 (90423657)
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Keywords | 血液浄化 / アルブミン変異体 |
Research Abstract |
本研究は、安全かつ有効な生体肝臓移植を支援する目的で、毒素捕獲型アルブミン変異体を作製し、透析液に用いた新しい血液浄化法である「アルブミン循環透析療法(ECAD)」の医学的有用性の向上を試みている。 '1,ヒト血清アルブミンバリアントの構造・体内動態解析 現在、60種類以上のアルブミンバリアントが存在するが、その構造・動態特性の詳細を把握することは、網羅的に個々のアミノ酸残基の役割を考えることができ、優れた機能性アルブミンを設計する上で非常に重要である。今回、17種類のバリアントの構造・動態特性を検討し、その関連性を検討したが、二次構造の指標であるα-ヘリックスの増大がアルブミンの血中滞留性を上昇させることが明らかとなり、特にドメインIIIへの変異が有用であうことが示唆された。 '2,内因性リガンド・脂肪酸によるNO付加効率への影響 アルブミンは多くの内因性・外因性化合物と結合するが、その中でも脂肪酸と結合することで構造変化が惹起される。そこで,アルブミンのNO結合部位であるCys34へのNO付加における脂肪酸の影響を検討した。その結果、短鎖・長鎖脂肪酸であるオクタン酸・オレイン酸結合により、Cys34のNO付加効率が上昇することが明らかとなり、NO付加における内因性物質・脂肪酸の重要性を初めて見出した。
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