2007 Fiscal Year Annual Research Report
クラス特異的抗体を用いたβ-ラクタマーゼ迅速検出法の確立と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
19659145
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岡本 了一 北里大学, 医学部, 講師 (30224083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹原 武志 北里大学, 医学部, 講師 (10154014)
中野 竜一 北里大学, 医療系研究科, 研究員 (80433712)
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Keywords | β-ラクタマーゼ / クラス特異的抗体 / 迅速検出法 |
Research Abstract |
臨床分離細菌が産生するβ-ラクタマーゼは、アミノ酸一次配列(モチーフ)の相同性からA~Dの4クラスに分類される。本研究の目的は、これらβ-ラクタマーゼについてクラス特異的抗体を用いることにより迅速かつ簡便にクラス分けして検出する方法の確立にある。今年度はA,B,Cの3つのクラスについてクラス毎に共通のペプチド抗原を用いたクラス特異的抗体の作製を試みた。 その結果、クラス毎に共通のペプチド抗原を検索したが、当初計画していたように、各クラスの酵素蛋白の親水性の高い領域で共通ペプチド抗原となる領域を検索することは困難であることが判明した。そこで、クラスAはA-1およびA-2、クラスBはB-1およびB-2、クラスCはC-1およびC-2のそれぞれ2つのサブクラスに分けて、サブクラス毎に1つの共通ペプチド抗原領域を酵素蛋白の親水性の高い領域に設定し、2種類のサブクラス共通抗原を混合して1羽のウサギに免疫して抗体を作製した。 得られたいずれのクラスの抗体もそれぞれの2種のサブクラスの共通ペプチド抗原のいずれとも同程度に反応することがELISA法により確認できており、抗(A-1+A-2)抗体、抗(B-1+B-2)抗体、抗(C-1+C-2)抗体として混合した状態で精製することにより、クラス特異的抗体として用いることが可能であると考えている。また、現段階ではクラスAおよびクラスCの酵素については、リファレンスとなる酵素の精製が終了しており、実際に精製酵素蛋白を抗原としてELISA法等により、作製した抗体のクラス特異性を確認するなど、研究を次の段階に進める予定である。
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