2007 Fiscal Year Annual Research Report
Medical Mass Imaging:質量分析による脱抗体組織イメージング
Project/Area Number |
19659146
|
Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 智啓 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 教授 (80233807)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊道 和雄 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 准教授 (60272928)
増子 佳世 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80288208)
|
Keywords | 組織切片 / 質量分析 / 分子イメージング / イオン化 / 蛋白質 / MALDI-TOF / 組織染色 / 同時検出 |
Research Abstract |
本研究の目的は質量分析技術を用いて、組織切片上の分子イメージングを確立し、従来の組織染色に代わる医学検査や研究手技を提供することである。方法論的には無処理の組織切片に直接CHCA等のマトリックスを噴霧し組織切片中の蛋白質をイオン化させやすくした後、Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization-Time of Flight(MALDI-TOF)型質量分析器中にて、組織中の蛋白質にレーザーを照射しイオン化させ、その質量を網羅的に測定する。組織切片上等間隔でこの操作を連続施行することで多数部位からの(イオン化した)蛋白質の存在情報がその質量(正確にはm/z)と共に得られる。これをコンピューター処理により、指定された質量を持つ蛋白質の2次元分布イメージとして画像化する。今年度は、対象組織として腎臓を選び検討した。腎臓の髄質と皮質の境界部を含む組織切片を用意し、髄質と皮質それぞれに特異的な蛋白質の検出が可能か否かを検討した。その結果、m/z1516、1543、1569、1598、および1632を持つ質量で2次元イメージを作成した時に、皮質領域に広く分布する蛋白質がイメージ化された。同様に、m/z5007でのイメージにより、髄質優位に分布する蛋白質が、さらに、m/z1851、2265、および2395のイメージにより、血管に分布している蛋白質がイメージ化された。解像度が十分でないことや速やかに検出蛋白質を同定することが困難であることなど、今後の課題もなお残るが、複数蛋白質の同時検出という点では有望な方法であることが判明した。今後、解像力と蛋白質同定の問題を克服してさらに有用性のあるものにして行きたい。
|
Research Products
(33 results)