2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659154
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
岩田 誠 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 教授 (50160122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大岡 嘉治 徳島文理大学, 香川薬学部, 准教授 (60303971)
竹内 一 徳島文理大学, 香川薬学部, 助教 (00421298)
横田 彩 徳島文理大学, 香川薬学部, 助教 (30446075)
宋 時栄 徳島文理大学, 神経科学研究所, 教授 (00399693)
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Keywords | アレルギー / リンパ球 / 樹状細胞 / ビタミンA / レチノイン酸 / ホーミング / 腸 / 化学物質 |
Research Abstract |
目的:先進諸国におけるアレルギー患者急増など,免疫機能の変調に,何らかの化学物質によるリンパ球ホーミングの撹乱が関与している可能性を我々は提唱する。リンパ球の組織特異的な移動を制御与する分子メカニズムは不明だったが,我々は腸組織にはビタミンAからレチノイン酸(RA)を生成する能力を持つ樹状細胞が存在し、抗原提示の際にRAを与えることによってリンパ球に小腸指向性を賦与することを発見した。RAは腸でのIgA抗体産生も促進した。本研究では,樹状細胞におけるRA合成酵素retinal dehydrogenase(RALDH)発現誘導に関与する腸組織微小環境因子の役割を解析し,これを撹乱する可能性のある化学物質の影響を調べる。これに基づき,免疫学的疾患誘導機序の新たな可能性を探り,疾患発症の抑制に向けた基盤を構築する。結果:IgA抗体産生に必須なTNF-α/inducible NO synthase生成樹状細胞はRALDHも発現してした。GM-CSFが生理的にも主要うRALDH2発現誘導因子であることが示唆された。従来報告のあったPPARγ,LXRからの刺的にも主要なRALDH2発現誘導因子であることが示唆された。従来報告のあったPPARγ,LXRからの刺激は,樹状細胞の初期分化段階で加えるとIULDH2発現を促進したが,GM-CSFの効果に比べると格段に弱かった。RA自体も踏受容体(RAR)を介してIULDH2発現を促進し,IURアンタゴニストはこれを抑制した。ビタミンA欠損マウスの腸間膜樹状細胞では,RALDH2発現が著しく低下していた。従って,RAはオートクラインまたはパラクラインにRA生成ループを形成している可能性がある。そして,一部の環境化学物質にはこのRA効果を促進するものが見出され,RA生成を攪乱する可能性が示唆された。
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