2008 Fiscal Year Annual Research Report
禁煙がメタボリック・シンドロームの構成因子に及ぼす長期的影響に関する検討
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19659167
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Research Institution | Osaka Medical Center for Health Science and Promotion |
Principal Investigator |
中村 正和 Osaka Medical Center for Health Science and Promotion, 健康生活推進部, 部長 (00450924)
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Keywords | 禁煙 / メタボリック・シンドローム / 体重 / 介入研究 / 脂質代謝 / 糖代謝 / 生活習慣 / 疫学研究 |
Research Abstract |
大阪府立健康科学センターで連続5年間健診を受診した男性2254名を非喫煙者652名、喫煙者867名、新規禁煙者(初年度から翌年の間に禁煙)121名、過去禁煙者614名の4群に分類し、禁煙後の体重増加に伴う検査値の長期影響について2要因分散分析を用いて比較検討した。新規禁煙者では、体重やBMIが1年後有意に増加しその後横ばい、Tchは1〜2年後に増加しその後減少、TGは1年後増加し4年後には初年度と同程度に減少、白血球は経年的に有意に減少、赤血球やHbが1年後に有意に減少、尿酸が1〜2年後に増加した。HDLは全群で経年的に有意な増加がみられたが、新規禁煙者では1年後の増加が大きかった。血糖やHbAlcは全群で経年的に有意な増加がみられた。過去喫煙者では体重やTch、HDLに有意な改善が見られたが、非喫煙者や喫煙者には大きな変化は見られなかった。 次に、禁煙を希望するメタボリック・シンドロームまたは予備群の男性6名を対象とし、禁煙後の検査値の変化を前向きに検討するためのパイロット研究を実施した。介入として12週間の禁煙治療を実施し、禁煙前、禁煙3ヵ月後、6ヵ月後の時点で身体計測、血液検査、腹部CT検査、食事調査、身体活動量等の測定を行った。禁煙6ヵ月後時点で対象者6名中5名が3ヵ月以上の禁煙を達成し、1名は途中再喫煙したが6ヵ月後には禁煙していた。6ヵ月後時点で内臓脂肪面積が増加した群4名(7〜29%増)、低下した群2名(23〜25%減)となった。増加群ではアディポネクチンは減少傾向、インスリンやHOMAは増加傾向、低下群はアディポネクチンに変化はみられなかったが、インスリンやHOMAは改善または維持する傾向にあった。 以上より、禁煙に伴う体重ならびに検査値の変化は一時的であり、その後の禁煙の経過とともに改善することが示された。介入研究については今後対象者を増やして検討したい。
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Research Products
(4 results)