2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳の知的機能に関与するかもしれない新規単離因子Vof-21の分子生理学的基礎研究
Project/Area Number |
19659174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
東田 道久 University of Toyama, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (20207525)
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Keywords | 記憶学習 / 遺伝子発現 / 発現制御解析 / SiRNA / 卵母細胞 / cRNA / 電気生理 / ゲノム解析 |
Research Abstract |
慢性虚血初期のラット脳中で発現上昇する因子としてクローニングしたvof-21(AB089205)は、その全長が4,885 bpであり、ヒト脳中にも存在することがわかっている。本研究では、不明のままであるその生理機能を解明する手がかりを得ることを目的とし、種々の検討を行う。初年度である本年は、研究を推進するための基礎的な検討・準備を整えた。1)虚血初期において発現上昇するその機能を解明するためには、ゲノム上の発現調節部位の解明が不可欠である。ヒトゲノムライブラリーを用いたゲノム配列の解析を現在進めており、cDNAより得られた配列より上流域の配列が少しずつ解明されている。それが翻訳部位なのか否かについては、現時点では結論が得られておらず、さらに解析中である。2)SiRNAの培養細胞内への導入によりその発現制御を行うためのvectorの構築を完了した。各種細胞へのトランスフェクション条件を現在さらに検討中である。また、SiRNAの直接的な蛍光標識によって、そのRNAの細胞内分布を検討するための準備も整っており、タイムラプス・リアルタイム蛍光顕微鏡(別途の科研費で設置済)を用いた検討をすすめる。3)ツメガエル卵母細胞にvof-21のcRNA単独あるいは脳抽出RNAとの混合物を導入し、電気生理学的な応答を比較検討することにより、vof-21の動的機能解析が期待される。本年はその卵母細胞再構成系システムを整備し、それを用いて類似した別の研究成果を得た。このシステムとSiRNAを併用することによっても面白い知見が得られるものと考えられる。以上の様に、本年度はまだ直接vof-21の機能解明につながる知見は得られておらず、基礎検討にとどまっている。しかしながら、本研究費の年度配分も2年目に重きを置いており、2年目の成果を楽しみにしている。
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