2007 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスの感染初期過程に関与する宿主因子の探索
Project/Area Number |
19659192
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
脇田 隆字 National Institute of Infectious Diseases, ウイルス第二部, 部長 (40280789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 孝司 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (40280763)
相崎 英樹 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (00333360)
村上 恭子 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (30399456)
伊達 朋子 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 研究員 (40392360)
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Keywords | HCV / 宿主因子 / 感染実験 / ウイルス複製 / レセプター |
Research Abstract |
これまでC型肝炎ウイルス(HCV)の研究は、実験室内で感染性ウイルスを用いた研究ができなかった。我々はJFH-1株を用いて、世界で初めて培養細胞においてHCVのウイルス培養に成功した。本研究では、この新規ウイルス培養系を用いてC型肝炎ウイルスの感染初期過程に関与する細胞性因子を探索した。 感染感受性細胞の同定:肝細胞を中心にHCV感染感受性細胞を探索した。その結果、Huh7細胞に感染感受性があった。その他の肝細胞や肝臓以外の臓器由来細胞などに感染感受性は認められなかった。段階希釈したウイルス液をHuh7細胞に感染させたところ、低ウイルス量の感染では容量依存性に感染細胞数が増加するが、抗ウイルス量の感染では感染細胞数はプラトーとなり増加しなかった。 Huh7細胞のクローニングと解析:上記結果から、Huh7細胞は感染感受性の異なるヘテロな細胞集団であることを想定し、Huh7細胞のクローニングを試みた。その結果70のクローン化細胞を樹立した。クローン化したHuh7細胞のHCV感染感受性、RNA複製能、宿主因子発現について解析した親細胞よりも高い感染感受性のもの、同等のもの、非常に低いか感受性のないものに分類された。クローン化した細胞のゲノム複製能はやはりクローンにより様々であったが、感染感受性とは一致しなかった。さらに、HCV感染過程に重要と考えられる宿主因子(CD81、SR-BI、LDLレセプター)の細胞表面での発現についてFACSにより解析した。興味深いことにCD81の細胞表面の発現の有無が感染感受性と全く一致した。他のSR-BI、LDLレセプターの発現の程度と感染感受性に関しては関連が見られなかった。そこで、様々な性質のクローン化細胞の遺伝子発現プロファイルを比較検討することによりウイルスの感染感受性やゲノム複製能に関与する宿主遺伝子の同定を現在試みている。
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Research Products
(24 results)