2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659224
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
祖父江 元 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (20148315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 淳一 愛知医科大学, 医学部, 特任講師 (50378022)
山本 正彦 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (40378039)
山田 新一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, COE研究員 (10467285)
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Keywords | 古細菌 / プロテアソーム / 神経変性疾患 / 分解 / 治療 |
Research Abstract |
神経変性疾患には神経細胞内に異常な蛋白質凝集体をみとめるものが多く、本研究で主に扱う家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)の他にも、孤発性の筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病、アルツハイマー病等、多岐に渡っている。これらの疾患では神経細胞を死に至らしめる各種疾患に共通する病態メカニズムが存在していると想定されている。 今回我々が用いた古細菌のプロテアソーム(PS)は真核細胞のPSの祖先にあたり、その構成は単純だが、in vitroにおける作用は真核細胞のPSに比べて強力であると報告されている。 まず、古細菌Methanosarcina mazeiのPS (Mm-PS)の構成サブユニットαとβをクローニングし、Neuro2aやHEK293の培養細胞内で発現させ、αとβは活性を持つ機能的な複合体を形成する事を確認した。また野生型及び変異SOD1と共発現させその効果を調べたところ、Mm-PSは用量依存的に変異体特異的にSOD1の発現量を低下させた。Cycloheximide chaseやPulse chase等の結果より、変異SOD1の発現量の低下は変異SOD1の分解が促進されている為であると考えられた。さらにMm-PSは変異SOD1による細胞毒性をも軽減した。また、変異SOD1以外の異常凝集体を形成する蛋白の分解を促進した事からも本研究は家族性筋萎縮性側索硬化症の新しい治療法の可能性を示すのみならず、パーキンソン病やアルツハイマー病等の異常蛋白凝集体が関係する他の神経変性疾患の治療法としても有望であると考えられる。現在はこれらの結果を踏まえてMm-PSのトランスジェニックマウスを作成して変異SOD1トランスジェニックマウスと交配させてダブルトランスジェニックマウスを作成し、変異SOD1がもたらす毒性を軽減させることが出来るかどうか個体レベルにて運動機能、体重変化、生存期間などを比較してその効果を検討中である。
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Research Products
(1 results)