2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19659227
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩下 達雄 Keio University, 医学部, 嘱託(非常勤) (30449011)
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Keywords | 片頭痛 / ERK / カプサイシン / 三叉神経節 |
Research Abstract |
カプサイシンに感受性をもつTRPV1 receptor(transient receptor potential V)が、片頭痛の疼痛発生における侵害受容器であると考えられている脳硬膜および三叉神経節に存在することを、当研究室の清水が免疫組織化学染色により明らかにした。 一方、Extracellular signal-regulated kinase(ERK)はストレスに応答して活性化するリン酸化酵素MAPキナーゼで、細胞の生存・増殖やアポトーシス誘導をコントロールすることが知られており、最近、疼痛刺激などで後根神経節のERKのリン酸化が認められることが報告されている。この事実に注目し、我々はラットの脳硬膜を露出して外頚動脈の枝である中硬膜動脈の灌流領域にカプサイシンを投与することで、片頭痛発作時に三叉神経終末からのサブスタンスPやCGRPの放出によって引き起こされるneurogenic inflammationの状態をっくり、痛覚惹起性の炎症が引き起こされた状態を再現させた。そして、本年度は三叉神経節および脳幹の三叉神経脊髄路核における細胞内情報伝達酵素の一つであるERKのリン酸化が増加することを免疫組織化学により明らかにし、その変化を検討することで疼痛の評価をおこなった。さらに、気象要因変化による片頭痛発症の機序を解明するため、気圧変化による三叉神経血管系におけるERKリン酸化を検討している。また、この免疫反応産物を定量化して,コントロール群、カプサイシン投与群、それぞれのERKのリン酸化の程度を三叉神経節において比較検討している。
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