2007 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治療促進形質の導入による筋ジストロフィー治療効果の解析
Project/Area Number |
19659228
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
砂田 芳秀 Kawasaki Medical School, 医学部, 教授 (00240713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 龍文 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30330591)
大澤 裕 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80246511)
池添 浩二 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80343317)
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Keywords | 再生医学 / 脳神経疾患 / 遺伝学 |
Research Abstract |
我々は筋ジストロフィーに対する新規ブースター療法の標的として、創傷治癒促進形質MRL-MpJに注目した。MRL-MpJマウスは、常染色体劣性遺伝形式を示す責任遺伝子未同定の自然発症変異マウスである。このマウスは耳穴閉鎖の他にも種々の組織で創傷治癒が著明に促進することがわかり、全身の創傷治癒促進を表現形質とする。述研究の目的は、MRL-MpJ創傷治癒促進形質が筋ジストロフィーにおける筋細胞の壊死・再生に及ぼす治療効果を解析し、新たな筋ジストロフィー治療戦略の標的となりうるか明らかにすることにある。本年度はDuchenne型筋ジストロフィーモデルmdxマウスとMRL-MpJマウスを交配し、F2世代で4種類の遺伝子型すなわち野生型、mdx、MRL-MpJ、MRL-MpJ/mdxのマウスを作出した。Mdx遺伝子型はPCR法で決定し、MRL-MpJ遺伝子型は耳穴閉鎖促進表現型で判定した。14週齢のマウス大腿四頭筋の筋線維断面積(n=5,一匹あたり250筋線維、mean±SE mm2)を計測した。その結果、mdxマウスにみられた筋萎縮(4448.8±72.2 mm2)はMRL-MpJ/mdxマウスで有意な改善(8681.9±61.5)がみられた。また、横隔膜の病理組織像においても線維化の程度に改善傾向がみられた。したがって、MRL-MpJ形質はmdxマウスの筋再生を促進する可能性が考えられる。
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