2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能的銅キャリアー分子を用いたメンケス病の治療法開発
Project/Area Number |
19659260
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宗形 光敏 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (30312573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 浩子 帝京大学, 医学部, 教授 (00093386)
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Keywords | Menkes病 / Macular mouse |
Research Abstract |
Menkes病は銅輸送蛋白ATP7Aの遺伝子異常による銅の送達障害でによって起こる。本研究では、脂溶性の高い有機銅錯体Cu-PTSMにより銅を体内各部位に送達することで本疾患を治療できないか、モデル動物であるMacular mouseを用いて様々な角度から検討する。本年度の研究成果として、 ・Cu-PTSMの作成:原法にしたがってCu-PTSMを合成し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。調整品はクロマトグラフィーで単一スポットとなり、本研究では十分な純度であると判断した。 ・Macular mouseの背景動物であるC3H系マウス6日齢でLD_<50>の検討を行ったところ26.5mg/kgで、従来の成体マウスでの報告とほぼ同一であった。 ・一定量のCu-PTSMを3分割で生後早期に投与することにより(対照としてはCuCCl_2を投与)、未治療であれば二週間以内に死亡するところ、生後初期の不安定期を超えれば、二ケ月以上生存させることができた。 ・生後一ケ月の時点でマウス体内主要臓器の銅含有量をICP/MSによって測定した。現時点で統計処理のための目標検体数に達していないが、ほぼ、CuCl_2を投与した場合と同程度の含有量であった。腎臓ではCuCl_2と同様、銅の異常蓄積をみとめた。 ・Menkes病に合併するてんかんに有効な抗てんかん薬clonazepamおよびその代謝体の薬理学的特性をまず正常動物で検討した。抗てんかん薬の作用が病態下ではどうか、またCu-PTSM投与後はどうかが今後の検討課題である。 来年度は、Cu-PTSM投与による銅依存性酵素活性の変化、生理機能の変化を中心に検討を進めたい。
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