2007 Fiscal Year Annual Research Report
精神発達障害緩和分子同定のための一卵性双生児間エピゲノム比較アプローチ
Project/Area Number |
19659261
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
久保田 健夫 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70293511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 和也 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (40342753)
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Keywords | 遺伝学 / 遺伝子 / ゲノム / 脳神経疾患 / 発現制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ゲノムを共有する一卵性双子間でも存在するエピゲノムの差異が存在する最近の知見を背景とする、レット症候群の一卵性双子例を対象にした精神発達障害の新規関連遺伝子を探索することである。具体的には、双子間のエピゲノム(DNAメチル化パターン)差異領域を特定し、その中から本症候群の責任蛋白質(MeCP2)によって調節されるメチル化遺伝子を見いだし、最終的に双子間での発現差異を明らかにする。 平成19年度はこの目的に沿って研究を行い、以下を明らかにした。 1. 既知のMeCP2被調節遺伝子のメチル化解析 これまでに明らかにされた2種の既知のMeCP2被調節遺伝子(BDNF、DLX5)のメチル化解析をbisulfite sequencing法(Kubota et al., Nat Genet1997)により行った。その結果、いずれの遺伝子においても双子間でメチル化程度の差は見いだせなかった。したがって、未知(非解析)のMeCP2被調節遺伝子のメチル化の可能性が考えられた。 2. メチル化解析のための既知のMeCP2被調節遺伝子の探索 探索はヒトゲノム上の遺伝子すべてを対象とする。方法はヒトゲノムマイクロアレイを用いる網羅的メチル化解析法である。具体的には上記の新しい網羅的解析技法で得られるデータが、現在頻用されているbisulfite sequencing法による定量結果とランダムに選んだ遺伝子において矛盾しないかを調べた。平成19年度は24種の遺伝子におけるメチル化定量を行い、メチル化は高値または低値のいずれかで中間的な値を示す遺伝子は少ないこと、組織にとって必要な遺伝子は低メチル化(発現)、不要な遺伝子は高メチル化(抑制)であることが判明した。この結果をふまえ、平成20年度は新法の定量性を確認後、双子患者の解析結果を得る。
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