2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞での筋ジストロフィー原因遺伝子産物の機能とディスレキシアとの共通発症機構
Project/Area Number |
19659265
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 千浩 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (90324780)
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Keywords | 福山型筋ジス / muscle-eye-brain病 / フクチン / POMGnTl / ディスレキシア / KIAA0319 / 糖鎖 / 神経細胞移動 |
Research Abstract |
本研究は、福山型先天性筋ジストロフィー原因遺伝子産物fukutinとmuscle-eye-brain病原因遺伝子産物POMGnT1の、神経細胞移動における神経細胞内での機能解析と新たな糖鎖修飾ターゲット分子の発見を目指し、またディスレキシア関連候補遺伝子産物KIAA0319が、α-dystroglycan以外のfukutinとPOMGnT1の新たなO型糖鎖修飾ターゲットであるかどうかを明らかにする目的で行われた。(1)培養細胞系を用いたKIAA0319の糖鎖の解析:ヒト線維芽細胞由来のMRC5細胞株を用いてKIAA0319を強制発現し、PNGase、シアリダーゼ、O-glycosidaseを用いて糖鎖を処理して解析したところ、O型のムチン型糖鎖が結合していることが判明した。(2)fukutinノックアウトマウスES細胞を用いたKIAA0319の糖鎖の解析:KIAA0319をES細胞で強制発現し、糖鎖修飾状態をウエスタンで比較した。野生型とノックアウトのES細胞間で、α-dystroglycanは大きなバンドサイズの差が見られたが、KIAA0319は差が見られなかった。α-dystroglycanのO型糖鎖を補完すると言われているLARGEを同時に強制発現したところ、α-dystroglycanは大きくバンドが移動したが、KIAA0319は変化が無かった。よって、ES細胞ではKIAA0319はfukutinによる糖鎖修飾は受けていないことが分かった。(3)問題点:KIAA0319は脳特異的な発現が見られるので、神経細胞におけるKIAA0319の糖鎖修飾状態を検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)