2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経ウイルス感染症および代謝疾患の治療に向けた新しい薬物運搬法に関する研究
Project/Area Number |
19659269
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
瀬戸 俊之 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 研究員 (60423878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 寿 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10115222)
田中 あけみ 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (30145776)
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Keywords | 神経変性疾患 / 遺伝子治療学 / 脳発達障害 / ドラッグデリバリー / 小児神経学 / 遺伝・先天異常学 / 遅発性ウイルス感染症 / 血液脳関門 |
Research Abstract |
小児期に発症する遅発性中枢神経感染症や遺伝性脳代謝疾患、神経変性疾患による脳障害は、亜急性もしくは穏徐に進行しつつ致死性である。このような疾患に対する薬物の投与と効果発現の大きな障壁になっている理由は、神経細胞が傷害に対する自己回復能力に乏しいこと、そして血液脳関門の存在である。我々は、細胞治療という観点から、リソゾーム病モデルマウスに正常細胞を移植するという方法を試みてきた。そして、平成19年度には一定の成果を待て発表を行った。また、平行して実際の患者の中枢神経症状発現のメカニズムについて、基礎医学(ウイルス学)的側面と臨床面からの両方から詳細な検討を行い、論文として3編発表した(研究発表の欄参照)。 小児神経疾患の治療には、以前から用いられている脳内への直接投与ではなく、静脈内投与のような非侵襲的で効率的な方法を早急に開発する必要がある。研究代表者は平成14年より、静脈内投与によって血液脳関門を通過するドラッグデリバリーシステムの研究を進めている。ポリエチレングリコール(PEG)鎖で包まれたリポソームは一定期間血中に存在しうる。PEG先端に脳内血管内皮細胞に発現する受容体のリガンドを結合させ、リポソームの脳内へのトランスサイトーシスとニューロン内へのエンドサイトーシスを通して標的細胞に薬物を到達させる。現在治療薬として臨床的に用いられている抗ウイルス薬や酵素補充療法薬をPEGリポソームに内包させることにより、小児の中枢神経障害の予防ときわめて効率のよい治療を開発するという点に主眼を置き、基礎実験を進めている。
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Research Products
(6 results)