2008 Fiscal Year Annual Research Report
乳児重症ミオクロニーてんかんにおける変異イオンチャネル蓄積病態の実証
Project/Area Number |
19659272
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
廣瀬 伸一 Fukuoka University, 医学部, 教授 (60248515)
|
Keywords | チャネル / 受容体 / てんかん / 中枢神経 / 遺伝子 |
Research Abstract |
乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)などの重症てんかんに変異イオンチャネル蓄積病態が関係していることを以下の二点を中心に実証した。まず、細胞生物学的に変異GABA_A受容体やNa^+チャネルの細胞局在、小胞体(ER)輸送障害とERストレス・アポトーシスを検証した。さらに分子病態をin vivoで明らかにするため、ヒトてんかんで発見された遺伝子変異と相同変異を持つ動物の作出を試みた。 最初に現有しているラットGABRG2に蛍光蛋白標識し、ヒトSMEIの変異とGEFS+の変異を導入し、培養細胞上に発現させ、α1β2γ2よりなる5量体のGABA_A受容体を再構成させた。この細胞を用いて変異GABA_A受容体標識蛍光蛋白を指標に、免疫染色とともに蛍光顕微鏡を用いる方法、共焦点レーザー顕微鏡による方法、さらに、GABA_A受容体にある糖鎖を利用しパルスチェイスにてその細胞内局在を調査した。これらの実験により変異を導入したGABA_A受容体のオルガネラ局在が小胞体であることが明らかになった。 続いてERストレスによる小胞体やアポトーシス関連分子の同定を行った。今回はカスパーゼ、DNAフラグメンテーション、アネキシンV、抗PARP等の複数の指標の応用によりアポトーシスの証明を行った。これによりGABA_A受容体を発現させた、培養細胞での変異アポトーシスが実証された。 さらにヒトと同じ遺伝子異常を持つモデル動物をすでに実績のあるPDGFプロモーターを用いた組換え法により遺伝子組換えラットで作成した。今回はヒト家族性特発性てんかん(常染色体優性夜間前頭葉てんかん)と同じ遺伝子異常をCHRNA4遺伝子に持つ遺伝子組換えラットを作出することに成功した。(特許取得済、J. Neuroscience 2008)
|
Research Products
(8 results)