2007 Fiscal Year Annual Research Report
インプリンティング遣伝子のゲノムワイドな同定法の開発と、小児腫瘍の病態解明
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19659274
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Research Institution | Gunma Institute of Public Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
林 泰秀 Gunma Institute of Public Health and Environmental Sciences, 調査研究グループ, 研究員 (30238133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 政彦 群馬県衛生環境研究所, 感染制御センター, センター長 (30292593)
朴 明子 群馬県衛生環境研究所, 調査研究グループ, 研究員 (50450375)
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Keywords | 遺伝学 / 遺伝子 / ゲノム / 癌 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
100万SNPプローブを搭載したGeneChip1Mアレイを用いて小児腫瘍の解析を行った。 小児腫瘍において、種々の遺伝子がuniparental disomy(UPD)やその他のメカニズムによりインプリンティングが障害されていると考えられ、各腫瘍にはheterogeneityが存在することが予測され、ある腫瘍では別の腫瘍で障害されるインプリンティングは保存されていることが予測される。これらのことにより小児腫瘍では癌遺伝子が活性化されたり、メチル化などにより癌抑制遺伝子が不活化されることにより発癌メカニズムが進展することが考えられている。 実際の小児腫瘍におけるUPDの同定を考え、今年度は種々の小児腫瘍で検討した。神経芽腫40例、横紋筋肉腫20例、ユーイング肉腫20例、悪性ラブドイド腫瘍10例、肝芽腫17例において、すでに公表しているSNPアレイを用いた手法によりUPDの網羅的な探索を行い、それぞれの腫瘍で共通して認められるUPD領域を網羅的に探索した。本年度は、特に肝芽腫17例における検討で、一定の成果がまとまった。肝芽腫のGene Chipアレイによる染色体解析では、15例(88%)に染色体異常がみられ、1q、2(or2q)、8、17qと20qの増加がみられ、4qと11qの欠失が高頻度にみられた。また高度の遺伝子増幅が7q34、14q11.2と11q22.2にみられた。特にIGF2とH19が座位する11p15のUPDが4例にみられた。この領域のメチル化の解析では、UPDは父親由来であった。IGF2とH19の発現パターンはUPDの有無で相反する結果であった。今回の結果は臨床像に反映する可能性が示唆された(Cancer Science2008)。 現在さらに種々の小児腫瘍で解析を続け、学会発表を行ない、投稿準備中である。
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Research Products
(53 results)