2007 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍関連P13Kの選択的遮断を基盤とするメラノーマに対する分子標的治療法の創生
Project/Area Number |
19659280
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
津田 昌明 Akita University, 医学部, 助教 (30333925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 多恵 秋田大学, 医学部, 助教 (10301061)
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Keywords | 癌抑制遺伝子 / メラノーマ / 分子標的治療 |
Research Abstract |
PI3Kはその基質特異性からクラスI、II、IIIに分類される。クラスI PI3K(IA、IB)は細胞内のPI(3,4,5)P3産生の主要経路であり、触媒サブユニット(p100α、p100β、p100γ、p100δ)と調節サブユニット(p85α、p85β、p55α、p55γ、p50α)で構成されている。これらの各触媒サブユニットと調節サブユニット間の結合の優先的な組み合わせや、それに起因する酵素活性の相違に関しては未だ不明な点が多い。 これまで我々は、Cre-loxPシステムを利用して、Dctプロモーター下にCreを発現させたDct-CreトランスジェニックマウスとPTEN floxマウスを交配して、メラノサイト特異的PTENホモ欠損マウスを作製した。このマウスの生物学的特性を検討したところ、PI3K-Akt系下流分子の活性化により、メラノーマの発生に加えて、メラノサイトの細胞増殖能亢進やアポトーシス抵抗性の増強などを起こした(投稿中)。 そこでメラノサイトにおけるPI3Kの発癌過程における役割を解析するため、上記のDct-Cre PTEN flox/floxマウスと、各々の触媒サブユニット(p110α、p110γ、p110δ、p85α)遺伝子にloxP配列を導入したマウスを交配し、メラノサイト特異的にPTENとPI3K触媒サブユニットがいずれもホモ欠損になった遺伝子改変マウスを作成することを試みている。この研究戦略により、色素細胞の発癌に関与しているPI3Kサブユニットが特定され、その選択的遮断を基盤とした新しい分子標的治療法が創生されるものと期待される。
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