2007 Fiscal Year Annual Research Report
抗体産生細胞ホーミング機序の解明と臨床応用への試み
Project/Area Number |
19659287
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
椛島 健治 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 准教授 (00362484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 和成 産業医科大学, 医学部, 専門修練医 (40412647)
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Keywords | 形質細胞 / 皮膚免疫 / 自己免疫疾患 / ケモカイン / 脂質メディエーター / ホーミング |
Research Abstract |
抗体産生細胞である形質細胞には長期寿命型と短期寿命型の2種類存在する。ところがこれらの役割の違いや局在,表面マーカーの違いなどにおいて,多くのことが不明のママである。そこで,これら2つのサブセットの違いを明確にし,さらに2次リンパ器官から骨髄へのホーミングメカニズムの制御機構の解明を目指すことを本研究の目的とする。 我々は,短期寿命型形質細胞が,cxcR4hi+s1Pllo+であり,長期寿命型形質細胞がcxcR41o+SIPlhi+であること,さらに形質細胞が2次リンパ器官から血中にegressする際に,sphingosine-1-phosphateとその受容体の一つであるS1P1が関与していることを明らかにした。S1P-S1P1シグナルを阻害するFTY720を投与すると,NP-BSAで免疫を行っても形質細胞が骨髄や血中で検出されなかった。さらに,S1P1欠損マウスの胎仔マウス由来のfetal liver chimeraマウスでは,NP-BSAで腹腔内に免疫しても,形質細胞が脾臓に認められるのみで,血中や骨髄には検出されなかった。さらに,形質細胞はS1Pへの化学遊走を認め,この遊走能はFTY720による前処置により消失した。 以上より,形質細胞のホーミングや寿命の決定においてS1P-S1P1シグナルが重要であり,このシグナルを調節することが,今後自己免疫疾患における治療へ発展する可能性を期待させる。
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