Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三国 雅彦 群馬大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00125353)
上原 徹 群馬大学, 医学部, 講師 (60303145)
大嶋 明彦 群馬大学, 大学院・医学研究科, 助教 (80276526)
間嶋 竹彦 群馬大学, 医学部, 助教 (00312869)
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Research Abstract |
脳機能の自己モニタリングを可能にするために,健常者を対象として頭部用の多チャンネル近赤外線スペクトロスコピィ(NIRS)装置を用いて大脳皮質の賦活反応性を検討し,さまざまな精神状態との関連を検討した。(1)頭皮上のNIRS測定チャンネル位置と標準脳における脳回との対応を確立し,fMRIやPETにおいてアーチファクトのために測定の信頼性が低いとされる前頭極部fronUlpole(Brodmann10野)についてNIRSの測定が可能であるという利点を明らかにした。(2)時間分解能が高いというNIRSの特徴を生かし,運動課題における大脳皮質の賦活反応性について,運動野については「課題区間における持続的な賦活」,体性感覚野については「課題開始時の一過性の賦活」,前頭葉については「課題区間における累積漸増的な賦活」,という時間経過の特徴があることを明らかにした(Neurosci Res58:297,2007)。(3)言語流暢性課題において,自覚的な軽度の眠気が前頭葉背外側面の内側部における賦活反応性と負の相関をすることを示し,高次脳機能の軽度の変化がNIRSデータに反映されることを明らかにした(Neurosci Res60:319,2008)。(4)同じ言語流暢性課題において,自覚的な疲労感は前頭葉背外側面の外側部における賦活反応性と負の相関をすることを示し,自覚的な眠気と疲労感との脳基盤がそれぞれ区別できることを明らかにした(投稿中)。(5)以上の結果から,「自然な状態における検査が可能」という特徴をもつNRSは,健常者の精神状態の自覚評価と関連の強いデータが得られることが明らかとなり,自己モニタリング装置として適切であることが示唆された。
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