2007 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症脳における神経興奮のドパミン・グルタミン酸による拮抗的調節機構の異常
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19659293
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
丹羽 真一 Fukushima Medical University, 医学部, 教授 (30110703)
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Keywords | 統合失調症 / 死後脳 / DARPP-32 / カルシニューリン / 免疫組織化学 / 二重染色 / リン酸化 |
Research Abstract |
本研究前の免疫組織化学的検討において、統合失調症死後脳では健常対照死後脳と比し、1.DARPP-32陽性ニューロンが前頭前野の広範囲の層にわたって、有意に減少していること、2.カルシニューリン(CN)陽性ニューロンは錐体ニューロンに限って前頭前IV層においてのみ減少がみられること、などが判明していた。本研究の目的は、1.リン酸化DARPP-32(pDARPP-32)抗体を用いて、統合失調症群と健常対照群を比較すること、2.CN抗体との多重染色を行い、pDARPP-32との共存率を健常対照群と比較検討すること、である。平成19年度は、予備的実験として、pDARPP-32抗体を用いた免疫染色の条件検討と、DARPP-32とCNの二重染色を行い良好な結果を得ている。以下、DARPP-32とCNの二重染色の方法と結果について述べる。健常成人前頭、海馬各切片に抗DARPP-32抗体と、抗CN抗体を用いて、蛍光免疫多重染色を施行した。パラフィン切片を脱パラフィン、脱水後、切片を10mMクエン酸bufferで15分間マイクロウェーブ処理を行った。非特異的結合を減少させるため、10%正常ヤギ血清で室温30分処理した。PBSで10倍希釈した一次抗体で4℃、overnightで反応させた後、FITCとTRITCで標識した二次抗体で、室温一時間で反応させた。その後、ProLong[○!R] Gold antifade reagent with DAPIで封入した。画像はデジタルカメラに接続した蛍光顕微鏡で取り入れた。その結果、DARPP-32とCNはニューロンにおいて必ずしも共存しないこと、が分かった。本年度は、予備実験を踏まえて、本研究の本実験を進めたいと考える。
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