2007 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞の移植により放射線腸障害からの回復を試みる実験的研究
Project/Area Number |
19659299
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
工藤 幸清 Hirosaki University, 大学院・保健学研究科, 助教 (10214967)
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Keywords | 放射線 / 腸 / マウス / 再生医学 / 間葉系幹細胞 / 胚性幹細胞 / 移植 / 放射線腸障害 |
Research Abstract |
放射線腸障害による腸死を防護し腸の再生を目指す新たな治療法確立のため、ヌードマウス小腸の一部に限局してX線を照射し、照射部位へ骨髄中の間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells;MSCs)または胚性幹細胞(embryonic stem cells;ESCs)の移植を行った。MSCsの培養増殖には成功し、ESCsは購入し使用した。その結果、照射後MSCs移植マウスでは照射のみのマウスに比べ生存率および体重が有意に高値を示し、H.E.染色での組織像では障害の程度に差が見られた。一方、照射後ESCsを移植したマウスでは、ESCsの生着は確認できたが、照射のみのマウスに対して生存率および体重に差はみられなかった。次に、ヘパラン硫酸の腸管に対する放射線防護効果を確認するため、マウス腹部への放射線局所照射を行い、照射前後にヘパラン硫酸を投与した。その結果、ヘパラン硫酸投与群は非投与群に比べ、生存率および体重が有意に高値を示した。 以上のことから、MSCs移植が放射線腸障害による腸死を防護し、また、ヘパラン硫酸投与が放射線腸障害に対して抵抗性を示すことが示唆された。今後、防護のメカニズムを解明し、MSCs移植とヘパラン硫酸投与の併用効果を調査する。また、頒布が開始されるiPSCs(induced pluripotent stem cells)についても同様に移植効果を確認する価値は高いと考える。
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Research Products
(3 results)