2008 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍血管新生の可視化を可能にする分子イメージング剤の開発
Project/Area Number |
19659307
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉本 光喜 Kanazawa University, 保健学系, 助教 (00345638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川井 恵一 金沢大学, 保健学系, 教授 (30204663)
絹谷 清剛 金沢大学, 医学系, 教授 (20281024)
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Keywords | 分子イメージング / 血管新生 / 癌 / ペプチド / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
インテグリンは細胞-細胞間及び細胞-細胞外マトリックス間の接着に関与している膜貫通型レセプターである。中でもα_vβ_3は血管新生や腫瘍転移において中心的な役割を担っている。アルギニン(R)、グリシン(G)、アスパラギン酸(D)の3残基からなるRGDはα_vβ_3を特異的に認識するペプチドとして報告された。そこで、本研究では^<111>In標識環状RGDペンタペプチド(^<111>In-DOTA-c(RGDfK))の腫瘍イメージング薬剤としての可能性について基礎的検討を行った。標識は短時間かつ高い標識率で行うことができ、HPLCにより高純度の標識体を得た。SKOV-3(ヒト卵巣癌)を皮下移植したモデルマウスにおける体内分布を検討した。^<111>In-DOTA-c(RGDfK)は投与後早期から腫瘍に高い集積を示し、投与24時間後においても2.34%ID/gと高い集積を維持していた。正常組織への集積は低く、肺と腎臓において投与10分後で高集積を示したが、その後速やかにクリアランスされた。特に、血液クリアランスは著しく早く、投与1時間後では血中の放射能は0.13%ID/gであった。その結果、腫瘍対血液比や腫瘍対筋肉比は非常に良好な値を示した。α_vβ_3に対する選択性を確認するために100μgのDOTA-c(RGDfK)を同時投与し、投与1時間後の体内分布を検討した。^<111>In-DOTA-c(RGDfK)の腫瘍への集積が80%以上阻害されたことから、腫瘍への高集積はα_vβ_3特異的であることが確認できた。動物実験用小型ガンマカメラを用いたイメージングの検討においても、^<111>In-DOTA-c(RGDfKにより腫瘍を明瞭に描出することができた。 以上の結果から、^<111>In-DOTA-c(RGDfK)はα_vβ_3に特異的な腫瘍イメージング薬剤としての可能性が示された。
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Research Products
(3 results)