2009 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍血管新生の可視化を可能にする分子イメージング剤の開発
Project/Area Number |
19659307
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
吉本 光喜 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, 共通実験室, 主任研究官 (00345638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川井 恵一 金沢大学, 保健学系, 教授 (30204663)
絹谷 清剛 金沢大学, 医学系, 教授 (20281024)
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Keywords | 血管新生 / ペプチド / 癌 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
VEGFを構成するアミノ酸配列の中で79~93番目の配列を基にして放射性ヨウ素標識を可能にするチロシンを導入したペプチド化合物をドラッグデザインし、化合物のヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)に対する増殖阻害能をMTSアッセイにより検討してきたが、再現性のある結果が得られなかった。また、[methyl-^3H]thymidine集積実験によりHUVECの増殖能評価を行ってきたが、ペプチド負荷による著しい集積低下は確認されなかった。そこで、HUVECと種々の濃度のペプチドを72時間培養した後に、細胞数を測定した。しかしながら、ペプチド負荷による増殖阻害効果は得られなかった。これまで行ってきた増殖阻害実験では、最大ペプチド濃度を100μMとしてきたが、十分な阻害効果を得るためにはさらに高濃度なペプチドが必要と考えられた。また、各種ペプチドを放射性ヨウ素標識した際に、たくさんのUVピークが観察されたことから、本ペプチドは安定性に問題があることが考えられた。5つのアミノ酸からなる環状RGDペプチドは非常に安定性が高いことから、今後VEGF受容体に対する親和性に影響を及ぼさないアミノ酸を除外し、アミノ酸の少ない環状ペプチドにすることにより、安定性の高い化合物になりうることが予想される。血管新生は、腫瘍イメージングにおける強力なターゲットであることから、本研究で得られた知見を参考に、今後更なるイメージング剤開発を行う。
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