2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能再生機構の解析と分子イメージング 〜臨床画像診断の実現を目指して〜
Project/Area Number |
19659310
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久下 裕司 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 教授 (70321958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
河嶋 秀和 京都大学, 医学研究科, 助教 (70359438)
横田 千昌 国立循環器病センター(研究所), 内科脳血管部門, 医長 (80300979)
志賀 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (80374495)
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Keywords | 脳神経疾患 / リハビリテーション / マイクロアレイ / 移植・再生医療 / 放射線 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳卒中及びアルツハイマー病を対象として、PET・SPECTといった分子イメージング法を分子生物学的手法と融合させることにより脳機能の再生過程を解析し、これらの過程の臨床診断に有用な画像診断法を探索・考案することにある。 今年度は、脳機能再生イメージングに適したターゲット分子の候補を見出すため、神経成長因子をはじめとする組織修復過程に関与する遺伝子・タンパク質の発現をmicroarray analysisにより網羅的に解析した。すなわち、充実した環境(Enriched environment;EE)及び通常環境の、異なる環境下で飼育したラットを用いて機能予後、梗塞面積、遺伝子・タンパク発現の差異を比較検討した。その結果、EE群では通常環境群に比べて、Synaptophysin(SYP)、macropharge migration inhibitory factor(MIF)などの遺伝子の発現上昇を認めた。他方、BDNF,Egr1,and Egr2などの遺伝子発現は低下を示し、さらにBDNFの高親和性細胞表面レセプターであるtyrosine kinase receptor B(TrkB)の発現には明らかな差異は認めなかった。 以上の結果は、局所虚血後の機能予後改善には、SYP、MIF、BDNFなどの神経機能に関連したタンパク・遺伝子の発現変化が関与している可能性を示すものである。また、機能予後改善にはBDNF発現が関与しているが、これはTrkBとは異なった経路を介するものである可能性も示唆された。
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Research Products
(3 results)