2008 Fiscal Year Annual Research Report
不安定動脈硬化プラークの描出を目的とするSPECT分子イメージングプローブの開発
Project/Area Number |
19659311
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐治 英郎 Kyoto University, 薬学研究科, 教授 (40115853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久下 裕司 北海道大学, 医学研究科, 教授 (70321958)
天滿 敬 京都大学, 薬学研究科, 助教 (90378787)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 放射線 / 動脈硬化 / 分子イメージング |
Research Abstract |
本研究の目的は、動脈内のプラーク破綻とそれに伴う血栓形成に深く関与する組織因子(Tissue Factor, TF)の選択的な描出を可能とする『SPECT用分子イメージングプローブ』を開発し、不安定プラーク(粥状動脈硬化巣)の検出に有効な新しい核医学診断法を提案することにある。昨年度はTFの細胞膜外領域について抗原性サーチを行い抗体作製に最適なペプチド配列を選択した後、これに対する単クローン抗体を作製し、免疫反応性を保持した状態で^<99m>Tc標識することに成功するとともに、抗原認識性と血中クリアランスとの関連を示した。本年度は、^<99m>Tc標識抗TF抗体のTFイメージングプローブとしての有効性を評価した。 ^<99m>Tc標識抗TF抗体を動脈硬化モデルウサギ(WHHLMIウサギ)に投与し、SPECT装置を用いて体内分布を測定したところ、動脈硬化病変を有さないコントロールウサギと比べて明瞭に大動脈が描出された。摘出したWHHLMIウサギ大動脈断片の放射能集積をガンマカウンタにより測定したところ、コントロールウサギ大動脈の約6倍の高い集積を認めた。さらに、免疫組織化学的手法により大動脈切片におけるTFの発現を調べ、オートラジオグラフィ法による放射能集積との相関を調べたところ、両者の間には有意な正の相関を認めたことから、^<99m>Tc標識抗TF抗体のTFイメージングプローブとしての有効性が示された。
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Research Products
(2 results)