2007 Fiscal Year Annual Research Report
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19659320
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山城 大泰 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (70402914)
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Keywords | リンパ浮腫 / 動物実験モデル / 細胞移植 |
Research Abstract |
<目的>乳癌術後のリンパ浮腫はQOLを損なう大きな要因の一つであるが、現在でも治療は理学療法による予防が中心で根本的な治療法はない。細胞移植による血管新生治療はすでに臨床応用が始まっており、血管新生とリンパ管再生はそれに関与する細胞や増殖因子などがかなり共通していることが知られているので、同様の手法でリンパ管再生を行える可能性は高い。リンパ浮腫の動物モデルは皮膚が欠損しており、細胞移植を行うべき部位が存在しないことから皮膚欠損のないリンパ浮腫モデルが存在すれば、細胞移植治療によるリンパ管再生の研究やリンパ浮腫の治療法の開発に大きく寄与すると考えられる。そこで乳癌術後リンパ浮腫に相当する皮膚欠損のない動物モデルを開発を試みた。<方法>生後6週齢のヌードマウス(BALB/c, nu/nu)を1週間訓化した後に手術操作を行った。操作後14日目に0.5Nの圧力下に上肢直径、皮膚厚の測定を行った。 <結果>(1)ヒトの手術に準じ、腋窩リンパ節郭清を行ったモデルでは、平均上肢(肘部)直径は健側2.44mm、患側2.67mm、上肢(肘部)の平均皮膚厚は健側0.34mm、患側0.39mmでいずれも有意差はなかった。次いで行った(2)腋窩リンパ節郭清に広範な胸部から腋窩の皮下組織を切除するモデルでは、平均上肢直径は健側2.70mm、患側で2.45、平均皮膚厚は健側0.38mm、患側0.46でいずれも有意差はなかった。(3)(2)のモデルにリンパ管焼灼(結紮)を加えたモデルでは平均上肢直径は健側2.45mm、患側2.41mmであった。平均皮膚厚は健側0.40mm、患側0.35mmであった。これらのモデルでは上肢直径、皮膚厚にはいずれも有意差がみとめられなかった。
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