2007 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイによる幹細胞融合による消化管発癌の可能性の検討
Project/Area Number |
19659322
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
門田 守人 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (00127309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土岐 祐一郎 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20291445)
山崎 誠 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50444518)
山本 浩文 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30322184)
竹政 伊知朗 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50379252)
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Keywords | 幹細胞 / 細胞融合 / 異倍体 / DNAマイクロアレイ / 大腸癌 / 免疫組織染色 |
Research Abstract |
近年、消化器癌の発生メカニズムの1つとして骨髄幹細胞と炎症による損傷を受けた組織分化細胞が細胞融合を起こして癌化するという全く新しい仮説が提唱されている。しかし実際のヒトの癌でこれを検証するのは困難である。一方古くより腫瘍には2倍体(diploid)と異倍体(aneuploid)の癌があることが知られているが、興味深いことに異倍体の癌の殆どはDNA indexが1から2の間であり、これを細胞融合現象の結果であると考えると非常に理解しやすい。そこで我々は今回の研究で、「aneuploidの腫瘍が幹細胞の細胞融合に伴い発生する」という仮説をたてた。まず第-段階としてAneuploidの腫瘍に特異的な遺伝子発現があるか否かをDNAチップで調べることとした。癌腫としては発癌過程、遺伝子変化について良く検討されている大腸癌を対象とした。 23症例の進行大腸癌切除標本のパラフィンブロックより、裸核を抽出しフォローサイトメトリーにて核DNA量を測定した。同時に同じ症例に対し新鮮凍結標本よりRNAを抽出し、ヒト全遺伝子型オリゴヌクレオチドチップ(ACEGENE)にて遺伝子発現を解析した。核DNA量はDiploidが13例、aneuploidが10例であった。AnouploidのDNA indexは平均1.57で2例は複数のaneuploid、いわゆるmultiplodを認めた。次にこの遺伝子発現を比較した。しかし現在のところ統計学的に有意な遺伝子を同定できていない。まだ解析は不十分であり今後手法を変えて原因となる遺伝子を同定したい。 一方最近幹細胞のマーカーの同定が進んでいる。CD133は大腸癌において幹細胞のマーカーになることが報告されており、aneuploidの癌ではCD133の発現が高い可能性があると考え、この免疫染色を試みた。解析途中であるが、現在のところdiploidとaneuploidの両者においてCD133陽性細胞の出現率に差を認めていない。今後更なる検討を要する。
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Research Products
(4 results)